東京都社会保険労務士政治連盟

政治連盟Q&A

社会保険労務士政治連盟は何のために設立されたのですか?

社会保険労務士政治連盟(以下「政治連盟」といいます。)には、東京都社会保険労務士政治連盟(以下「東京政連」といいます。)をはじめとした各都道府県に設立された都道府県社会保険労務士政治連盟(以下「都道府県政連」といいます。)と、その連合体である全国社会保険労務士政治連盟(以下「全国政連」といいます。)があります。

昭和43年に社会保険労務士法が施行されましたが、数年後には、この社会保険労務士制度の改善を図るべきであるとの意見が多くなってきました。制度改善のためには、社会保険労務士法の改正が必要ですが、社会保険労務士法は議員立法による法律であるため、強力な政治活動がなければ法改正の実現は困難な状況にありました。

このため、社会保険労務士会(以下「本会」といいます。)では、全国社会保険労務士会連合会(以下「連合会」といいます。)と東京都社会保険労務士会(以下「東京会」といいます。)をはじめとした各都道府県社会保険労務士会(以下「都道府県会」といいます。)の総会等において、会員の総意により政治活動を行うための政治団体「社会保険労務士制度推進連盟」の名称で昭和52年6月に全国単一の政治団体として設立されました。このように、政治連盟は、一部の会員の意思ではなく全会員の総意により設立されたものです。

昭和55年に政治活動を強化するため、都道府県ごとに順次「都道府県社会保険労務士制度推進連盟」が設立されました。
さらに、昭和57年2月、「制度推進連盟」を「政治連盟」に改称し、今日に至っています。

社会保険労務士の政治活動というと、政治的主義主張を掲げて運動することを連想しますが、実際の目的は何ですか?

社会保険労務士法は、議員立法(内閣でなく国会議員自らが法律案を作成し国会へ提案すること)により成立した法律です。議員立法により成立した法律は、その改正も議員立法により行われることが通例になっています。内閣提案の法律(閣法)の場合は、主務官庁が改正法案等の準備を行いますが、議員立法の場合は、団体自らが改正内容を各政党や国会議員に繰り返し要請し、国会に提出していただける国会議員を決め、議員立法として改正法案が国会に提出されるよう理解と協力を得なければなりません。

したがって社会保険労務士法の改正には国会議員への対応が不可欠なのです。

そのためには、日頃から国会議員等への選挙の支援や日々の支援活動により、社会保険労務士制度の理解を深めてもらい、法改正の要望などのいざというときに積極的に協力していただける環境を整えておく必要があります。

政治連盟の政治活動は社会保険労務士にとって、社会保険労務士制度の改善、社会保険労務士の円滑な業務の遂行、社会保険労務士の社会的・経済的地位の向上、社会保険労務士のさらなる職域の拡大のために欠かせないものであり、そのための支援体制の構築といえます。

本会と政治連盟は、同じ組織の一部ではないのですか?

本会と政治連盟は、同じ社会保険労務士の組織の一部と考えている方が見受けられます。正確には社会保険労務士の組織は大きいもので、以下の様に5系統が存在します。(掲載例都道府県は、東京都の社会保険労務士の組織を例に記載しております。)

その中で社会保険労務士の組織の根幹をなすのは勿論、本会である社会保険労務士会となります。

それではなぜ政治連盟をはじめ、SR経営労務センター、社会保険労務士協同組合、一般社団法人社労士成年後見センターは本会とは別系統の組織として存在しているのでしょうか。

これは政治連盟が「公職選挙法」や「政治資金規正法」、SR経営労務センターが「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」、社会保険労務士協同組合が「中小企業等協同組合法」といったように、それぞれが目的とする活動については独自の遵守義務を負う法律が存在するからです。これらの法律は、本会である社会保険労務士会からの組織上の独立、及び独立会計を求めている場合が殆どです。

仮に本会が財政的に裕福な状況にあったとしても、これらの組織に資金的な援助等を行えないのはこのためなのです。

私が所属している労働組合が支援している議員と政治連盟が推薦する議員が異なり、政治信条として加入することに抵抗があります。

政治連盟の目的は、社会保険労務士の社会的・経済的地位の向上と社会保険労務士制度の発展を図るために必要な政治活動を行うことです。

政治連盟は、社会保険労務士全体のために活動することを目的としており、決して特定の政党や個人の政治目的のために活動するものではありません。

社会保険労務士法の改正は会員全員の利害に関係する事柄なのだから、本会が取り組むべきではないですか?

社会保険労務士制度は、過去8回の社会保険労務士法改正により充実発展してきましたが、まだ解決しなければならない課題が多く残されています。

制度の改善を図るためには、各政党や多くの国会議員に法改正の必要性の理解を得て、その実現に対し協力を求める必要があります。

しかし、連合会及び都道府県会は強制加入の法定団体であるため、公職選挙法による選挙支援活動や政治資金規正法による政治的な活動ができないので、これを補うための組織として政治連盟が必要なのです。

政治連盟は、連合会や都道府県会と法的組織としては別個ですが、表裏一体の関係であり社会保険労務士の要望を実現するための政治活動を、政治資金規正法に基づく政治団体として行っています。

政治連盟の運営や活動については、連合会や都道府県会と密接な連携のもとに行っていることは言うまでもありません。

政治連盟が必要だというのなら、なぜ本会と同じように強制加入にしないのですか?

政治連盟の目的を達成するためには、すべての社会保険労務士が政治連盟に結集してこそ、大きな政治力を発揮することができるのです。

さらに、政治連盟の活動の成果は、これまでの社会保険労務士法改正の結果が示すように、社会保険労務士制度の発展、社会保険労務士の地位の向上と直結し、すべての社会保険労務士の利益となっています。したがって、政治信条に関係なくすべての社会保険労務士が政治連盟の会員となって、その活動に協力していただくことが望ましいといえます。

平成10年度までは、すべての社会保険労務士が政治連盟の会員という取り扱いをし、会費の負担などをお願いしてきましたが、政治連盟が公職選挙法や政治資金規正法などで公的に認められた政治団体である以上、個々人の意思を問わず会員とすることや、活動経費の負担をお願いすることは法律上好ましくないということで、以降政治連盟への入会の意思を確認することとしております。

しかし、すべての社会保険労務士が結集することによってわれわれ社会保険労務士の要望が実現できることを十分ご理解いただき、社会保険労務士として、自らの業務の発展と地位の向上のため、また、それらを他人の力を借りてではなく、自らの手で実現するため、是非、その願いを政治連盟に集め、この活動を支援していただきたいものです。

今後とも、すべての社会保険労務士が一丸となって政治連盟に結集し、今後の社会変化に対応した業務の拡大への対応等、社会保険労務士の業務の発展と社会的・経済的地位の向上のため積極的な活動を続けていくことが必要です。

政治連盟の目的が、社会保険労務士法の改正であるなら、政権与党を支持すればいいのではないですか?

政治連盟の活動は、社会保険労務士制度の発展と社会保険労務士の社会的・経済的地位の向上を目的とするものですから、これを支援してくれる政党、政治家であれば、政党、党派に関係なく協力関係を保っており、社会保険労務士法の制定からこれまですべての改正は、国会の全会一致によって成立しています。

このように政治連盟は、個々の会員の所属政党や政治信条にかかわりなく、いわば「社会保険労務士党」の立場から目的を実現しようとする団体であって、特定の政党又は政治家を応援するための政治団体ではありません。

政治連盟は日頃どのような活動を行っているのですか?

政治連盟設立の最大の目的は、社会保険労務士の社会的・経済的地位の向上や業務の発展のための法改正等の実現を図ることです。

そのためには、連合会や都道府県会の方針を踏まえて、政党や国会議員等に働きかけることですが、これを効果あらしめるためには国会議員等の選挙において社会保険労務士制度に理解のある推薦候補者を決定し、その選挙の支援活動を行うことが重要な活動の一つです。

また、政治連盟は、国会議員等と常日頃から連携して、国会の情勢や常に新しい政治の動き等の情報を得ると同時に、われわれの要望を十分に伝えて理解を深めてもらい、いざという時のために国会議員等の政治活動を支援する組織であって、主に次のような活動を行っています。

  1. 国政選挙等における支援活動

    国政選挙や地方選挙の際、社会保険労務士制度に理解があり、今後とも協力いただけると思われる立候補者を推薦し、支援する活動。

  2. 社会保険労務士制度の周知拡大活動

    各政党や国会議員等との連携を図り、社会保険労務士制度とその活動への理解・協力を推進するための制度の周知拡大活動。

    具体的には、各政党や国会議員等が主催する懇談会、研修会等諸行事への政治連盟関係者の参加、政治連盟の定期大会、賀詞交歓会等への関係国会議員等の招待などにより、常に社会保険労務士制度の理解を高める活動。

  3. 議員懇談会の設置・開催

    社会保険労務士制度の発展に賛同する国会議員をメンバーとした各政党別に社会保険労務士議員懇談会を設置・開催し、情報収集や意見交換を行っています。

  4. 東京都議会各政党に対する要望活動(東京政連対応事業)

    東京都の事業において、社会保険労務士の活躍する場を増やすために、東京都議会の各政党・各会派に対して、社会保険労務士を活用するための予算を付けてもらうなど、要望活動を実施しています。

    その結果、東京都における「働き方改革支援事業」・「労働条件審査」・「学校教育」等で社会保険労務士の活躍する機会が増大し、また、社会保険労務士の知名度向上にも一役を担っています。

  5. 東京都内の自治体選出議員に対する要望活動(東京政連対応事業)

    東京都内各自治体において、社会保険労務士の活躍する事業の場を増やすために、各自治体選挙区選出の都議会議員、区市町村議会議員に対し、事業参画や予算付けなど、要望活動の働きかけを実施する他、地元議員を介し自治体首長に対し社会保険労務士会の活動をPRしています。

    その結果、東京都内各自治体における「働き方改革支援事業」・「労働条件審査」・「学校教育」・「社会保険労務士派遣事業」・「自治体での住民相談」・「地元主催イベントの参画」など、地元地域における社会保険労務士の活躍する事業の拡大や、社会保険労務士の知名度向上にも一役を担っています。

今では社会保険労務士といえば人気のある国家資格となりましたが、制度発足当時は知名度が低く、営業するのに苦労したと伺っています。今日の姿になるまでに政治連盟はどのような成果を上げてきたのですか?

政治連盟は、昭和52年の設立と同時に、強力な政治活動を展開し、その結果、昭和53年の社会保険労務士法の改正(第1次改正)から今日まで8回の法改正を実現することができました。

これらの法改正は、紛争解決手続代理業務に代表されるように社会保険労務士の資格がそれぞれの時代のニーズに応じた業務への対応が可能となるように、また社会保険労務士以外の第三者に職域を侵害されないようになど、社会保険労務士制度の発展と社会保険労務士の社会的・経済的地位の向上や業務の拡大・発展へと繋がるものでした。

法改正の経過・概要については、「社会保険労務士法改正」のページに掲載しておりますのでこちらをご覧ください。

大切なことはこれらの成果は、多くの会員の力強いご協力のもとに、政治連盟が進めてきた政治活動により実現したものであることです。

政治連盟は一部の政治活動に積極的な人が活動していて一般会員には馴染みがないように思います。

政治連盟は会員の総意により「規約」を定め、これに基づき運営されています。

最高議決機関である定期大会において、規約の改正、役員の選任、毎年度の運動方針及び収支予算等運営上の基本事項を決定しています。

政治連盟の運動や活動は、規約や運動方針等に基づき、原則会員の中から選任された会長、副会長、幹事長、幹事長代理(東京政連では「副幹事長」)、常任幹事、幹事等の役員が執り行っています。

政治連盟が社会保険労務士にとって重要な活動であるなら、本会から政治連盟に活動資金を提供すればいいのではないですか?

政治連盟は、目的達成のため今後も活動を充実していく必要があります。しかし政治連盟は、政治資金規正法により、強制加入の法定団体である連合会や各都道府県会及び政治団体でないものからの寄付を受けることができません。したがって、政治連盟が活動をするためには会員である皆様に、都道府県会に収める会費とは別に、都道府県政連に別途会費を納めていただくしかありません。

都道府県政連は、規約に基づいて会員である皆様から定められた額の会費を納めていただいて運営しています。

会員各位におかれましては、政治連盟の活動をより活発にするためにも一層のご理解とご協力をお願いいたします。

政治連盟の運動方針、収支予算や収支決算は、定期大会において議決又は承認を受けております。

また政治連盟は、政治資金規正法に基づく政治団体として選挙管理委員会に収支報告を行っています。

政治連盟の必要性を理解したので入会したいと思います。手続きを教えてください。

政治連盟への入会手続きにつきましては各都道府県政連により異なります。東京政連では初回年度分会費納付用紙が入会申込書を兼ねておりますので、初回年度の会費納入と同時に政治連盟の入会手続きは完了となります。

現時点で未入会であり、政治連盟への入会を希望される方、および滞納会費に対する納付手続き、会費の口座振替への切り替え申請等につきましては、東京政連事務局までご連絡ください。